誰もやっていない
「面白い農業」を。
ベルガモットとレミに込めた、清水雄矢さんの想い
- ベルガモット
- レミ

中島で独自の農業を営む清水雄矢さん。お母様の体調不良をきっかけに島へ戻り、柑橘農家としての道を歩み始めました。
モットーは「人がやっていない、面白いことをすること」。その挑戦の象徴が、無農薬で育てるベルガモットです。風通しを良くする丁寧な剪定と、土を育てるためにあえて草を生やす栽培で、自然と向き合いながら柑橘を育てています。
ベルガモット
まず、中島で柑橘農家になろうと思ったきっかけを教えてください。
きっかけは、母親が具合悪くなって農業を続けるのが難しくなったことです。それを機に、島に帰ってきて農業を継ぐことを決めました。


数ある柑橘の中で、ベルガモットを選んだ理由や、この香りの魅力をどう感じていますか?
基本的に、僕は「人がやっていないようなこと」がしたいんです。だから、この島であまり作られていないベルガモットを見つけた時、「面白そうやな」と思って選びました。
もともと自分が食べたいもの、欲しいものを作りたいという気持ちが強くて。このベルガモットがどんな香りをさせるのか知りたくて実際に育ててみたら、今作っている柑橘の中で一番好きな香りになりました。
育ててみたら、今作っている柑橘の中で
一番好きな香りになりました。
無農薬での栽培はご苦労も多いかと思います。一番大変なことや、それをどう乗り越えているかを教えてください。
農薬を使わずに育てているので、どうしても虫がつきやすかったり病気になりやすかったりします。
だから、とにかく木々の間が込み合わないように、風通しが良くなるように剪定(せんてい)を徹底しています。あと、あえて草を生やす栽培方法をとっているんです。草を生やすと虫も来やすくなるんですが、それ以上に「土が良くなる」と信じているので。実際どうなのかはこれからですが(笑)、そう信じて向き合っています。


清水さんにとって、ここ「中島」はどんな場所ですか?
実は、あんまり客観的に考えたことがないんですよね。他の島に行った時に「なんか違うな」と感じることはあるんですが、その理由が何なのかは正直わからない。
ずっと住んでいるからこその愛着なのか、ここが良い場所だと本能的に思っているのか、定かではないです。でも、やっぱり他のどこでもない、特別な場所なんだなという気がしています。

自分が育てたベルガモットが、アロマ(精油)として生まれ変わることについてはどう思われますか?
一言でいうと、本当に嬉しいです。せっかく育てた果実ですから、新しい形で命を生かしてもらえるのはありがたいなと。
基本的には、規格外などで捨てるくらいなら加工品として使ってほしいという思いがあります。ジュースにする選択肢もありますが、ジュースだけじゃ面白くない。やっぱり僕は「面白いと思うこと」をやりたいんですよね。
最後に、このベルガモットの香りをどんな人に届けたいですか?
「普段あまりみかんを食べない人」や「みかんに馴染みがない人」に届いてほしいです。
そういう方に、食べることからではなく、まずはこの「香り」から柑橘の世界に入ってもらうきっかけになれたら面白いなと思っています。


レミ
続いて、レモンとライムの交配種である「レミ」について伺います。この品種のおすすめポイントや、香りの特徴を教えてください。
レミは本当にレモンとライムのちょうど真ん中のような柑橘です。「どっちつかずで特徴がない」と言ってしまうとそれまでなんですが、裏を返せば、すごく優秀な「引き立て役」になってくれるんですよ。
僕自身、出来上がった料理に何にでもレミをかけるんです。レミ自体が強すぎず、主張しすぎないからこそ、合わせる相手の良さをふわっと引き立ててくれる。そこが魅力ですね。
主張しすぎないからこそ、
相手の良さをふわっと引き立ててくれる。
レミを栽培する中で一番大変なことは何ですか?
レミはとにかく寒さに弱いんです。こればっかりは気候のことなのでどうしようもない部分もあるんですが、だからこそ「寒さや病気に負けない、元気な木を作る」ということを人一倍意識しています。

木を元気にするために、具体的にどんな工夫をされているのでしょうか?
僕は農薬は使いませんが、その代わりに「液肥(液体肥料)」を使っています。ただ地面にまくのではなく、木や葉っぱに直接液体をかける「葉面散布(ようめんさんぷ)」という方法です。こうすると、葉っぱからダイレクトに栄養が吸収されるんですよ。
一言で説明するのは難しいですが、良い菌や酵素といった類のものを使って、木そのものが持つ生きる力を高めてあげる。そうやって病気や虫、そして寒さにも負けない強い木を育てるようにしています。





